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東京農業大学 生物機能開発学研究室(旧昆虫機能開発研究室)の長島先生・櫻井先生の活躍をお知らせします!


by insectech×BDL
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「世界遺産にふさわしい特産品づくり」講演会を終えて。

強風など荒天が続き、桜の舞が見られるのも残り僅かとなりましたが
今年度も昆虫機能開発研究室は元気に活動をスタートしております。

先週初めてのゼミ、そして一昨日は懇親会を行いまして新入室員を迎えました。

今年も有望な3年生9名が入り、早速研究室も賑わいでおります。
彼らもこれから研究活動を大いに盛り上げてくれることでしょう。
今年一年宜しくお願いします。





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さて、昨日はこちらでもお知らせしておりました
講演会「世界遺産にふさわしい特産品づくり」が富岡市生涯学習センターにて行われました。



「世界遺産にふさわしい特産品づくり」講演会を終えて。_b0086228_00363470.jpg



富岡製糸場へは上州電鉄という2両編成のローカル線で参ります。

ドアもボタン式で、駅によっては無人、更に未だ交通系ICカード非対応という具合で
車内の雰囲気もあいまってレトロな世界へ誘ってくれます。
座席がとってもふかふかです!

車体が製糸工場よりサファリパークを推しているのはご愛敬です。

上州電鉄始発の高崎駅では、「富岡しるく」ちゃんというマスコットキャラクターが出迎えてくれます。
富岡製糸場にはすごく詳しいんだとか。


「世界遺産にふさわしい特産品づくり」講演会を終えて。_b0086228_00464126.jpg


富岡製糸場や今回講演で訪れた生涯学習センターへは高崎駅から1時間以内で到着します。
上州電鉄は1時間に2本程度ですので時間に余裕が必要です。

乗り換えから改札口が少し遠く、実は私も迷ってしまって予定より一本あとの電車に乗りました...。



「世界遺産にふさわしい特産品づくり」講演会を終えて。_b0086228_00591861.jpg


講演準備風景です。

中央で作業してるのは農大OG、ザ・「レディーファースト」の方々です。
2月に前橋市で行った農大校友会にて先生が提案した
”桑葉を用いた洋菓子”を約2週間あまりで研究・製作し、本日お持ち下さりました。

しっかりとメンバーの管理栄養士の方が監修しており、味も食感も抜群!
名産品の良い一例として来場者の方々に試食して頂きました。




手前にはおなじみドクターセラムさんのフィブロインゼリーです。
本講演でもサンプルとしてお配りしました。

機能性表示まであと一歩ですが
この製品の強みは臨床試験が製品そのもので行われている点。

こうした”確かな背景”もブランドには重要です。




配布したサンプルはもう一つ、
桐生市アートさんの「きぬせっけん」をお持ちしました。

以前こちらでも紹介した”食べられる石鹸”です。
肌に優しく、誤食の心配もなく、環境も汚さない。
まさに次世代の石鹸に相応しい製品です。





富岡市内からのご来場の方が多いようでしたが
桐生市のアートさんや、名古屋から来て下さった方もいらっしゃいました。

”富岡ブランド”の大切なことの一つに、
富岡市内に限定しないこと、富岡市全体を対象としないこと
などがあります。

世界遺産という背景をもつ富岡の名前を武器に、
その周辺事業をニューシルクロードの全体像と捉える必要があります。
各地の良さを活かし、富岡製糸場周辺をその発信地にするのです。

製品の条件は「作って良し、買って良し、地域・社会にも良し」。
さらにインバウンドにも通用するような
サイエンスエヴィデンスを持った確かな品質が不可欠となります。


今回、特産品に着目した講演としては第1回目で
”世界遺産に相応しいブランド”とはなにか、
その望ましい概念の在り方と現状を比較した、前衛的な講演会となりました。



「世界遺産にふさわしい特産品づくり」講演会を終えて。_b0086228_03011151.jpg

講義風景。

皆さん真剣に聞いていらっしゃいますが
フィブロインタンパクの構造など科学的根拠に関する場面では難解な話も多く、
必死にメモを取る方や、講演後に質問に来る方もいらっしゃいました。


現在は販売する方がしっかりと説明できていない状況が多く見受けられます。
”確かな商品”=ブランドという観点では当然製品のストーリー性や根拠が重要なのです。



また、富岡実業高校から学生複数名と教員の方がお見えになりました。
中高生の発想は大変貴重で、こうした場に参加して下さることは頼もしい限りです。
是非ともディスカッションを試みたいところ。


「世界遺産にふさわしい特産品づくり」講演会を終えて。_b0086228_03014373.jpg

富岡事業を中心で取り組む学部4年の中島と安西。

群馬出身の中島は「地元のことは好きでも嫌いでもなかった」という始点から
この事業に深く関わるに至るまでの経緯を説明し、その熱意と現実的な意見は聴講者を振るわせた。

クモ研究10年オーバーの強みを持つ安西は、先端科学や都会出身からの視点を活かして富岡への思いを展開し
その活気ある発言と問いかけから信頼を勝ち取っていた。



学生によるほんの一言ではありますが、彼らの演説技術には大変目を見張るものがあり
富岡事業の今後を牽引するに相応しい若い力があると思わせたに違いありません。





メインの学生2名以外に学部生4名が聴講と手伝いで富岡に行きました。

野蚕、織物、桑の実などそれぞれの卒論テーマと非常に関係の深い事業です。
先生の講演もさることながら、現状を少しでも把握できたことは大きな収穫だと思います。

また入ったばかりの三年生も1名同行しました。
シルクといっても幅広い分野がある中で、取り敢えずこうしたイベントに参加する、
まず行動してみる、という選択は大変有効です。
きっとはじめは情報量が多いと思いますが、時間をかけて必ず力となるでしょう。





私は野蚕を卒論テーマとしているのですが、なかなか縁がなく富岡市には今回初めて伺いました。

道は広く、きれいに整備されていて閑静な印象を受けますが、
町全体から「世界遺産」の風があまり感じられないというのが正直な感想です。

登録から4年が経ちました。
もう4年なのでしょうか、まだ4年なのでしょうか。

・観光地化
・地域住民との連携
・ブランド意識
・商品開発

などをキーワードに、まだまだ良くなれるのだと思います。
今後も事業に積極的に参加し、
ニューシルクロードプロジェクトに多少なりとも尽力できれば幸いです。





以上、広報担当佐々木がお送りしました。


三年生の新たなブログ係も決定しておりますので、追って記事を上げる予定です。
今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。






by insectech | 2017-04-16 03:53 | 活動記録